2006年3月〜

2006/3/2 産廃計画阻止へ水俣市が庁内対策委=熊本【読売】

水俣市で民間業者が進めている産廃最終処分場建設計画に関し、同市は1日、計画を阻止するための庁内対策委員会を設置した。助役や3部12課の部課長ら計19人で構成。全庁的な取り組みとして情報の収集と共有化を図る。
2月の市長選で、計画の阻止を公約に掲げた宮本勝彬市長が、具体的な手法として「産廃対策プロジェクトチームをつくる」と明言していた。今後は専門家の意見を交え、予定地の環境について調査を実施するほか、業者に計画の白紙撤回を求める。
また、宮本市長は、計画を法的に阻止する方法を検討する産廃対策室を設置する考えを明らかにした。3月議会に設置条例案を提案し、可決されれば4月1日付で発足させる方針。職員3人程度を専従させるという。

2006/3/12 【この人に】下田保富さん【朝日】

 しもだ・やすとみ24年、水俣市生まれ。水俣実務学校建築科を40年に卒業。1年ほどの海軍生活を経て、復員後は農業に従事。50年に水俣市役所に就職し、建築・設計分野を担当。79年に退職した後は再び農業を営む。産業廃棄物最終処分場計画に反対する「水俣の命と水を守る市民の会」世話人。

 ――水俣市の山間部で計画される産業廃棄物の管理型最終処分場の建設予定地の間近に自宅があり、いち早く「水を守れ」と反対を唱えた。

 調べてみたら、予定地周辺には、1日15トン以上の水がわき出す所が21カ所もある。うちはその一つを利用し、飲み水、炊事、洗濯、風呂と生活用水をすべて賄っている。

 大きな岩の下にわき出る水をポリ容器にため、パイプで容量2トンのタンクに送り、そこから3軒に配水している。水温は16〜17度で、冬は温かく夏は冷たいおいしい水。保健所で調べてもらったら、大腸菌などの雑菌はなく、飲料に最適とのお墨付きをもらった。水道も井戸も必要ない。

 ――建設を計画しているIWD東亜熊本によると、95ヘクタールの敷地に面積9・5ヘクタール、容積約200万立方メートルの最終処分場を造るという。こんな大規模な処分場ができたら、わき水はどうなるのか。

 95ヘクタールと言われてもピンと来ないので、水俣市の市街地に置き換えたら、中心商店街から百間排水口までの約1・5キロを、最大約650メートルの幅で覆う広さ。立木を刈り、穴も掘って造るから、わき水が枯れたり、量が減ったりする可能性がある。それにも増して、捨てられた廃棄物の有害物質が雨水に溶け出して地下に浸透すれば、わき水を汚染し、生活用水に使えなくなる。さらに、すぐ北側にある水道水源の湯出川にも汚染物質が流れ込む。

 ――管理型最終処分場では遮水シートが設置されるが。

 シートの下が平らになっていないと、シートの一部分に廃棄物の重みがかかり続け、最後は破れる。そこから汚水が漏れ、地下水が汚染されてしまう。単純に国が定める基準を守っていれば安全かというと、そうではない。

 鹿児島県鹿屋市の産廃処分場計画では、県は設置を許可したが、鹿児島地裁は「安全性に疑問がある」として、工事の差し止めを命じた。

 ――計画が明らかになったのは04年3月。これを知った時は、どう思ったのか。

 どうして水俣につくるのか、と思った。水俣病の原因は、海に流れされたメチル水銀という産廃。その被害を受けた水俣に、今度は山で産廃を引き受けろとは理不尽な話。環境モデル都市を目指して、ごみの22分別に取り組み、ごみを減らしている街に対し、その思いを踏みにじるような産廃処分場を計画するとは何事だと思った。同時に、地元だけが反対しても、どうにもならないのではという不安もあった。

 ――計画が明らかになった3カ月後には、反対する市民団体「水俣の命と水を守る市民の会」が結成され、約2万人の反対署名を集めた。

 どうしていいか分からず、困っていた時、「地元が立ち上がらないといけない」と助言してくれる人がいた。まず、地元で反対運動を立ち上げ、処分場周辺に反対の看板を立てた。そこから、いろんな人に参加を呼びかけ、「市民の会」につなげていった。

 「どうして水俣に」という思いが共有されて、多くの署名が集まったと思う。

 ――今年2月の市長選で、処分場阻止を訴えた新顔の宮本勝彬氏(62)が当選した。

 これまで市は「処分場の許認可権は市にはない」として、計画に対して、明確には反対してこなかった。「一緒に反対して欲しい」と私たちがいくら要望しても、聞いてもらえなかった。市長が代わって、市は積極的な反対に転換した。今後は情報提供など市と協力して反対運動を進めていきたい。

 ペットボトル入りの水を買うのが珍しくなくなった今、安心して飲める天然の水を自宅にひいて使えるとは、なんともうらやましい話だ。

 下田さん宅の水源は、自宅から約200メートルほど上った竹林の中にあった。透き通った水が勢いよくポリ容器に流れ込む。見ているだけで気分がすがすがしくなる。

 一度も枯れたことがないのも下田さんの自慢だ。最近では多少、竹林が荒れてはいるが、水がわき出す環境を守り続けていることに、尊敬の念を感じる。この水を汚させないという下田さんの決意がよくわかる。

 「人前で話すのが苦手だった」という下田さん。課長昇進を前に市役所を辞めたのは「議会などで答弁するのが嫌だったから」。しかし、産廃反対団体の世話人を断るわけにはいかず、集会などであいさつするうちに、人前で話せるようになったという。

 80歳を過ぎても、生き方を変えられる。積極的になれる。下田さんに脱帽だ。
(宮田富士男)

2006/3/27 ごみ有料化「賛成」4割 仙台の家事従事者東北大など調査=宮城【読売・宮城版】

仙台市の家事従事者の約4割が、「ごみ処理の有料化」に肯定的であることが、東北大学など全国7大学の研究者による生活環境研究会の調査で分かった。
この調査は、昨年10月〜12月、仙台市と名古屋市、熊本県水俣市で行われた。対象は、主婦などの家事従事者で計3000人(回答数計1772人)。
それによると、ごみ処理の有料化について、「賛成」「どちらかと言えば賛成」と答えた人は、仙台市では42%にのぼった。名古屋、水俣両市も40%近い数字が出た。
ごみ問題の原因について聞くと、仙台市では「自分の都合で捨てる人が多いから」(93%)、「モラルの低い人が多いから」(92%)、「ごみが増える商品を企業がつくるから」(82%)が上位にのぼり、名古屋、水俣でも同様の傾向が出た。
家庭でのごみ減量は有効で必要なことだとみな考えているが、「どれくらい実行している人がいるか」との問いに、仙台市では「5割くらい」との回答が最も多かった。ちなみに名古屋市では「5割〜7割」と、水俣市は「8割くらい」が最も多かった。
一方、取り組んでいる“環境配慮の行動”は、仙台市では「使っていない場所の消灯」(92%)、「詰め替え商品の購入」(85%)が高かった。そのほか、「風呂の残り湯の使用」(62%)、「買い物かご、袋の持参」(41%)、「トレイ包装の野菜は買わない」(21%)だった。

2006/3/29 水俣の産廃最終処分場計画 宮本市長、業者へ撤廃要請=熊本【読売】

水俣市で民間業者「IWD東亜熊本」(本社・水俣市)が進めている産廃最終処分場建設計画に関し、同市の宮本勝彬市長は28日、同社の関連会社「IWD」(本社・神奈川県海老名市)の東京支社を訪れ、会社幹部らに計画撤廃を口頭で申し入れた。
宮本市長は計画の阻止を公約に掲げ、2月の市長選で初当選。この日が会社側との初交渉で、水俣病の教訓を生かして取り組んでいる環境モデル都市づくりなどについて説明。「産廃最終処分場は、水俣の理念に合わない」などと訴えたという。
これに対し、会社側は、「水俣病に対する市民感情は承知しているが、産廃処分場と別問題。安全で環境保全に寄与する施設をつくる」と理解を求めたという。

2006/5/9 管理型産廃処分場建設環境悪化に住民不安 候補地・南関町で説明会=熊本【読売】

県が主導して建設する管理型産業廃棄物最終処分場の候補地となった南関町の米田区で7日夜、住民説明会が開かれた。同町や隣接する和水町から約100人が参加。県の担当者が処分場の必要性や施設の概要、管理体制などを説明した後、意見交換を行った。
住民からは地下水の汚染や悪臭被害、自然環境の悪化などを心配する声が続出。「県が安全と言っても信用できない」「汚れた環境を子や孫に残すことはできない」など厳しい意見が相次ぎ、「建設には断固反対」との声が大半を占めた。
説明会後、県廃棄物対策課の福島淳課長は「住民の不安が強いのはよく分かった。今後は具体的な解決策を提示し、理解を深めてもらいたい」と話していた。
処分場建設を巡っては、県が3月27日に候補地を南関町の採石場跡地に決めたと発表。これを受けて地元の米田区では住民が対策委員会を設置し、町と町議会に建設反対の要望書を提出している。

2006/5/11 水俣・産廃建設計画「聞き取り調査実施を」反対住民、知事に要望書=熊本【読売】

水俣市南部の山林で民間業者が進めている産廃最終処分場建設計画に関し、反対運動を展開する「水俣の命と水を守る市民の会」の坂本ミサ子会長ら約20人が10日、県庁を訪ね、潮谷知事あての要望書を提出した。
要望書では、住民が十分に発言できる説明会を開催するよう業者を指導することや、県による建設予定地一帯の住民聞き取り調査実施などを求めた。坂本会長は、「どんな場所に建設されようとしているのか、知事にも足を運んで見てほしい」などと訴えた。
これに対し、県の担当者は、「要望書の内容については、対応を検討したい」と応えた。

2006/5/13 芦北の国有林高濃度アンモニア検出 県、産廃施設に改善求める=熊本【読売】

芦北町古石の国有林でヒノキなど約700本が立ち枯れし、県が隣接する産業廃棄物中間処理施設の大気などから高濃度のアンモニアを検出していたことがわかった。立ち枯れとの因果関係は不明としているが、県は施設を運営する水俣市の業者に改善を求めた。

県は3月、施設内や被害地区の8地点で大気、被害地区の5地点で土壌を採取し、被害がない林と比較。施設内の大気では無被害地区の111倍にあたる88ppm、被害地区では115倍の91ppmの高濃度のアンモニアを検出した。被害地区は土壌でも高濃度を示した。

同施設は、生ゴミなどを処理して堆肥(たいひ)を作っている。一帯は、悪臭防止法によるアンモニア排出規制の対象区域外で、県は改善を求めるだけにとどめた。

県内には同様の施設はほかに15か所あるが、いずれも立ち枯れはないという。
業者は「原因は不明だが、高濃度のアンモニアが出ているのは事実。大学教授などの専門家に相談して、何らかの対応策を取りたい」と話している。

2006/5/19産廃ノーをアピール緒方・水俣市議長が基調講演 福井で全国連絡会=熊本【読売】

産廃処分場問題を抱える自治体でつくる「全国産廃問題市町村連絡会」(事務局・岐阜県御嵩町、30市町村)の総会が18日、福井県池田町で開かれた。民間業者「IWD東亜熊本」(本社・水俣市)による産廃最終処分場計画に揺れる水俣市の緒方誠也・市議会議長が「産廃水俣からの報告」と題して基調講演した。同市は4月1日付で同連絡会に加入しており、宮本勝彬市長も出席。全国に「産廃ノー」をアピールした。

緒方議長は、水俣病問題が今なお続く市の特殊性に触れ、「水銀ヘドロの産廃を抱える市に、これ以上、公害の恐れがある施設はいらない」と強調。産廃問題への対応が争点となった2月の市長選で建設阻止を公約に掲げた宮本市長が初当選したことを紹介し、「庁内に産廃対策室が設置された。首長の姿勢によって行政は動く」と宮本市長の手腕に期待を寄せた。

これらの報告に対し、長年、産廃問題に悩んできた各出席者からは「許認可権は知事が持っており、県議会で反対の陳情を決議することが大切」「情報公開で業者の情報を知るべき」などの意見があった。

御嵩町の柳川喜郎町長は「水俣病の公式確認50年を迎えた水俣で産廃問題が起きていることに驚いた」と発言。「業者は情に訴えても通用しない。法律と科学で理論武装し、基準を満たしていないことを証明して止めるしかない」と述べた。

計画によると、同市の産廃最終処分場は市南部の山林約95・2ヘクタールのうち約9・5ヘクタールを敷地面積とし、燃え殻や汚泥などを埋める管理型。今夏にも環境アセスメント(影響評価)の準備書が県に提出される見込み。

宮本市長は「反対と騒ぐだけではだめという指針をもらい、勇気が出た。1%でも可能性があるなら、私が先頭に立ち、建設を阻止したい」と話し、建設阻止への決意を改めて示した。

写真=厳しい表情で各市町村の意見を聞く緒方議長(左)と宮本市長(18日午後2時、福井県池田町で)

2006/5/19 産廃問題で情報交換池田で全国連絡会総会=福井【読売】

産業廃棄物に関する課題を抱えた市町村でつくる「全国産廃問題市町村連絡会」の総会が18日、池田町内であり、9市町村の首長らが意見交換した。
会長の柳川喜郎・岐阜県御嵩町長が「世に産廃の種は尽きない。市町村合併も一段落し、新たな参加を呼びかけたい」とあいさつ。杉本博文・池田町長は「我々は被害者だけでなく加害者の部分もある。シビアで繊細な課題だ」と話した。
熊本県水俣市議会の緒方誠也議長が基調講演。水俣病の経緯や、市の環境問題の取り組みを説明した。
池田町東俣に計画されている産廃処分場や、敦賀市樫曲の最終処分場の問題も紹介され、「(産廃処理業の許可権を持つ)知事の姿勢で局面は大きく変わる。問題解決には県議会への請願も有効では」などの意見が出た。

写真=産廃問題の取り組みなどについて話し合われた総会(池田町で)

2006/5/30 水俣市、産廃反対で連帯組織50団体参加来月5日設立へ=熊本【読売】

水俣市で民間業者「IWD東亜熊本」(本社・水俣市)が進めている産廃最終処分場建設計画に対し、同市は、反対運動の連帯組織「産廃最終処分場建設阻止!水俣市民総協議会」(仮称)を設立する。同市の呼びかけに応じて、既存の反対グループなど約50団体が参加し、6月5日に設立会議、同25日に市民総決起集会を開く。

市内では「水俣の命と水を守る市民の会」や「水俣に産廃はいらない!みんなの会」などが反対運動を展開している。早ければ7月にも環境アセスメント(影響評価)の準備書が許認可権を持つ県に提出される見通し。市は「各団体が大同団結して、市民運動の大きなうねりとする必要がある」としている。

協議会には、反対団体のほか、水俣病の被害者団体、農業団体も参加する。設立総会は市共済会館で午後1時半から、総決起集会は市文化会館で午前10時から開く。会長に就任予定の宮本勝彬市長は「公害を経験した水俣市で、再び公害が起きる可能性がある施設は受け入れられない」と話している。

計画では、市南部の山林約95・2ヘクタールのうち、約9・5ヘクタールの敷地に燃え殻や汚泥などを埋める管理型を設置。同社は「産廃処分場は循環型社会形成のために必要。水俣のつらい過去を考え、日本一完璧(かんぺき)な施設にする」と理解を求めている。

2006/6/1 水俣の産廃処分場問題:水俣に反対組織−−5日設立、市内50団体参加/熊本【毎日】

水俣市内の約50団体が参加して5日、「産廃最終処分場建設阻止!水俣市民総協議会(仮称)」が設立される。同市長崎でIWD東亜熊本が計画している産廃処分場の建設を阻止するのが目的。既存の反対グループに加え、自治会など各種団体に市が参加を呼びかけた。

計画地が市の水源地にあることや、水俣病の教訓を生かしたまちづくりに逆行していること、水俣病受難の地に産廃処分場を作るのはあまりにも理不尽で残酷−−というのが理由。事務局を市産廃対策室に置く。会長に就任予定の宮本勝彬市長は「市民運動のうねりを広げ、建設反対の市民の意志をより確かなものにしたい」と話している。

25日午前10時からは、同市文化会館で建設阻止への機運を盛り上げるため「市民総決起集会」を開く。市と「産廃最終処分場建設阻止!水俣市民総協議会(仮称)」が共催する予定。【平野美紀】

2006/6/1 水俣の産廃処分場問題:水俣市が現地見学会実施へ−−計10回【毎日】

水俣市は、同市長崎に計画されている民間業者の産廃最終処分場予定地周辺の現地見学会を、6〜10月の日曜に計10回実施する。

対象は市民に限定。実施日の午前9時半、市役所に集合。公用車で移動し、計画予定地近くの大森地区の住民から説明を聞いた後、周辺一帯の状況を見て回る。

希望者は実施2日前の金曜までに電話で申し込む。毎回先着20人で、無料。見学会実施日は11、18日▽7月9、23日▽8月6、20日▽9月10、23日▽10月1、15日の午前9時半〜正午。問い合わせ・申し込みは市産廃対策室0966・61・1619へ。

2006/6/3 水俣市:「環境にこだわった町に」議会で市長が表明補正予算案など上程/熊本【毎日】

水俣市の6月定例市議会が2日開会し、06年度一般会計補正予算案(補正額約10億3300万円)など31議案が上程された。市長選直後となった3月議会に提案されたのは骨格予算だったため、今回の補正予算案が、宮本勝彬市長の就任後、初の本格的な予算となる。

本会議で宮本市長は「(市内に計画されている)産廃処分場阻止は私に課せられた命題。二度と水俣病のような公害を起こさないため警鐘を鳴らし続け、市政の基本方針として、環境にこだわったまちづくりを進める」と所信を表明。重点施策としてはこのほか、水俣病問題の解決や元気な水俣づくり、人づくりなどを掲げた。

また市議会は、4月下旬に発表した議長の「水俣病問題の全面解決と地域の再生・振興を求める声明」と同内容の意見書を採択した。意見書は「認定基準を一本化し、早急に認定審査会が再開できる条件を整備すること」など5項目からなり、近隣8市町の議会にも、同様の意見書を採択してくれるよう呼びかける。【平野美紀】

2006/6/6 産廃処分場建設阻止へ官民で市民会議設立 水俣市【熊日】

水俣市長崎に民間事業者が計画する産業廃棄物最終処分場の建設阻止を目的とした連帯組織「産廃阻止!水俣市民会議」の設立総会が五日、市役所共済会館であった。会長に宮本勝彬市長を決め、事務所は市産業廃棄物対策室に置く。

市民会議は、建設阻止運動を全市的に拡大するために水俣市が結成を呼び掛け、産廃反対の市民団体や水俣病患者団体、自治会など五十二団体が加入。総会には約五十人が出席した。

会長に就いた宮本勝彬市長が「市役所の力だけで阻止できる簡単な問題ではない。市民が一丸となって取り組むことが不可欠」と協力を要請。二〇〇六年度事業計画として(1)市民総決起大会の開催(2)事業者に対する撤退要請行動(3)事業者から県への提出が予想される環境影響評価準備書に対する住民意見書の集約―などを決めた。

市民総決起大会は、市と市民会議の主催。二十五日午前十時から牧ノ内の市文化会館で開き、岐阜県御嵩町の柳川喜郎町長が特別講演するほか、市民の決意表明、決議文採択などを予定。終了後は参加者が市内中心部を行進し、計画阻止を訴えるという。(並松昭光)

2006/6/6 官民一体で産廃反対水俣市が連帯組織を設立25日に市民総決起大会=熊本【読売】

◆設立総会

水俣市の山林で民間業者「IWD東亜熊本」(本社・水俣市)が進めている産廃最終処分場建設計画に関し、市は5日、反対運動の連帯組織「産廃阻止!水俣市民会議」を設立した。既存の反対派など52団体が参加、市産業廃棄物対策室に事務所を置き、官民一体で反対運動を展開する。25日に市民総決起大会を開く。
設立総会には「水俣の命と水を守る市民の会」などの代表ら約50人が参加。会長に就任した宮本勝彬市長は「水俣病を経験した水俣は特別な地域。計画反対は地域エゴではない」と強調、市を先頭に問題解決に取り組む考えを示した。
計画によると、市南部の山林約95・2ヘクタール中、約9・5ヘクタールの敷地に燃え殻や汚泥などを埋める管理型を設置。7月にも環境アセスメント(影響評価)の準備書が県に提出される見通しで、市民会議は、これに対する住民意見書の集約を目指す。
総決起大会は25日午前10時から、市文化会館で開催。市が4月に加入した全国産廃問題市町村連絡会の会長で、岐阜県御嵩町の柳川喜郎町長の講演などがある。また、決議文を採択し、同社へ提出。市内パレードも計画している。
このほか、26、27日には潮谷知事や同社関連の「IWD」(本社・神奈川県海老名市)の東京支社などに中止要請を行う。11日からは毎月2回、現地見学会も実施する。問い合わせは同対策室(0966・61・1619)へ。

写真=宮本市長(左)のあいさつを聞く反対派市民ら

2006/6/6 産廃阻止!水俣市民会議発足【朝日】

 水俣市の山間部で民間業者が計画する産業廃棄物最終処分場に対し、官民一体で反対する「産廃阻止!水俣市民会議」が5日発足した。市内での設立総会には、市や市議会のほか、約50の民間団体から50人が参加し、処分場建設阻止に向け、協力することを確認した。

 会則を決めた後、会長に宮本勝彬市長、理事に各団体の16人を選んだ。事務局は、市産業廃棄物対策室内に置く。

 会則で、同会議は「水俣病の経験に基づき、市民の命と健康を守るため、処分場の建設に反対し、止めさせるための活動を行う」としている。

 今年度事業として、処分場阻止のための市民総決起大会を25日に市文化会館で開くことを決めた。処分場の反対運動で知られる岐阜県御嵩町の柳川喜郎町長の講演、阻止に向けた市民の決意表明、大会決議の採択もある。決議文は産廃業者のIWD東亜熊本や、県、国に提出する。

 宮本市長は「阻止には、市民が一丸となって取り込むことが不可欠」と協力を呼びかけた。


もどる